Woodcut illustration of the legend of the desecration of a crucifix and accompanying saints (here, St. Mary Magdalen, St. John and the Virgin Mary) in Mainz by the actor Schelkropf / Penn Provenance Project正しい人がなぜ理由もない苦しみを受けなければならないのか?
正しい人が突然事故で死ぬ。正しいひとが病気で死ぬ。罪のない子どもが事故で死ぬ。
このようなことが日常起こる。何故そのようなことが起こるのか?神はいないのか?
と我々は考える。世界のニュースを見ていると、毎日そのような事件・事故が起きているから人々は感覚が麻痺してしまう。しかし、悲しみや怒りを感じる人々もいるはずだ。
そんな時、思い出したいのが、「義人の苦難」というテーマである。
ヨブ記は聖書の中で、義人の苦難と呼ばれるテーマを扱った文学的表現で書かれたものだ。
ヨブ記は非常に長いので、読むのに苦労するが、最終時代に臨んでいる現代人が知っておくべきテーマを扱っている。

Honored Queen, bible / kirinqueen
理解の助けとなるポイントは2点だ。物語の初めと終わりにポイントがある。
1)は、神とサタンの存在
2)は、義人ヨブが神を見て、神の前に完全にへりくだる
1)天上で神とサタンが語り合っている。その中心テーマは「義人」。義人とは単に正しい人というだけではなく、神の前に正しいという意味だ。これを義人という。
この義人を、告発するものがいる。サタンだ。サタンは神に対して、義人が義人であるのは神が垣をめぐらして守っているからだ、と告発する。
(日本人は、神やサタンの存在を信じようとしないから、このヨブの物語は絵空事としか映らない。しかし、目に見えない存在があることは事実だ。このことを学ぶと、目が開けて世に起こっている出来事や不可解に思えることがよくわかるようになる。)
神はサタンの告発に対して、ヨブの命に手を触れなければよい、と命以外の環境に起こることを許可する。あっという間に、さまざまな災いがヨブに臨んでそのあまりの凄惨な出来事に遭遇したヨブの妻は、絶望のあまりヨブに対し、「神をのろって死になさい」と言った。

Praying moment / simsimt
2)ヨブは苦難にあったけれど、神を汚す言葉やつぶやきを発するのではなく、神と格闘するかのように自分の正しさを神に訴えた。
失望と落胆のどん底から、神の憐れみと救いの力に絶対的に信頼した。
「見よ、神が私を殺しても、
私は神を待ち望み、、、、
神もまた、私の救いをなってくださる。」(ヨブ記13:15~16 新改訳)
「私は知っている。
私を贖う方は生きておられる、、、。」(ヨブ記19:25 新改訳)
そして、最後に、ヨブは神の姿を見て、完全にへりくだった。義人であってもなお、神の前にへりくだり、わたしは悔いると言った。
「それでわたしはみずから恨み、ちり灰の中で悔います」(ヨブ記42:6)
現在、宗教界では自己称揚の精神と神の律法の無視が一般的だ。ただ信じなさい、そうすれば祝福が与えられる。と言われている。しかし、人間は神を現している戒めを守る義務から解放されてはいない。神を知り、神の前に出ると、自分の罪深さがわかり神の前にへりくだるようになる。これが、人間の究極の姿だろう。
人間が苦難に遭うとき、神はご覧になっていて、神に信頼をおいて神の摂理を悟るようにと語っておられる。

Highchair Blue Praying / Monkey Mash Button
結末を聖書から引用。
1そこでヨブは主に答えて言った、
2「わたしは知ります、あなたはすべての事をなすことができ、またいかなるおぼしめしでも、あなたにできないことはないことを。
3『無知をもって神の計りごとをおおうこの者はだれか』。それゆえ、わたしはみずから悟らない事を言い、みずから知らない、測り難い事を述べました。
4『聞け、わたしは語ろう、わたしはあなたに尋ねる、わたしに答えよ』。
5わたしはあなたの事を耳で聞いていましたが、今はわたしの目であなたを拝見いたします。 6それでわたしはみずから恨み、ちり灰の中で悔います」。
(略)
10ヨブがその友人たちのために祈ったとき、主はヨブの繁栄をもとにかえし、そして主はヨブのすべての財産を二倍に増された。(ヨブ記42章より)
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